特にこれという名物がない東京都国分寺市。なんか他に特徴あるの? と思う人も多いかもしれません。しかし、侮るなかれ。国分寺にはちゃんとアピールできるものがあります。それがテクノロジー。実は国分寺は全国に誇れる科学の故郷なのです。
そこで今回はあまり知られていないだろう国分寺の科学についてご紹介します!
国分寺の科学1:国分寺は宇宙発祥の地!?
そう、国分寺市は宇宙開発発祥の地なのです。1955年(昭和30年)4月12日、今の早稲田実業学校がある当時の新中央工業(株)の銃器試射用ピットで日本で初めてのロケット発射実験(ペンシルロケットの水平発射実験)が行われました。
この功績を讃え、国分寺市は4月12日を「国分寺ペンシルロケット記念日」と制定(写真左)。また、2005年(平成17年)4月にはペンシルロケットの水平発射実験から50年を記念して「日本の宇宙開発発祥の地」顕彰会が発足。発射地に顕彰碑を建立するための募金活動を開始されました。
ちなみに同会は国分寺市内の団体だけでなく、早稲田実業学校などの関係者、そしてJAXAも! 募金活動は当初の目標に達し、2006年(平成18年)4月1日に顕彰碑の除幕式が行われました。
小惑星「コクブンジ」もある!
それだけではありません!なんと「コクブンジ」という小惑星もあるんです。平成12年8月3日、岡山県井原市にある美星スペースガードセンターで、NPO法人日本スペースガード協会の小惑星観測プロジェクトBATTeRSが発見しました。
でもここで疑問。なぜ岡山県で見つかったのに国分寺なのか? それは日本スペースガード協会の粋な計らいによるものでした。
こんな感じで、同協会は国際天文学連合小惑星センターに提案申請しました。その結果、平成27年2月3日に国際天文学連合が正式決定しました。
国分寺の科学2:日本を代表する大手企業の研究所がある
この大きな森、国分寺にあるのをご存知ですか? こちらはなんと、あの(株)日立製作所の研究所である日立中央研究所。創設されたのは1942年(昭和17年)。日立製作所の研究所は国内に3拠点ありますが、中央研究所はその中でも最大規模です。なんと、在籍人数は約900名とのこと!こちらでは基礎研究から技術関連などで幅広くカバーしています。
実はこちら、武蔵国分寺の旧跡地なんです。中央研究所を創設するにあたり、小平浪平創業社長は「よい立木は切らずによけて建てよ」と言ったことから、構内に茂る豊かな自然は極力守られたとのこと。
国内を代表するテクノロジー企業のブレインが国分寺にあるのは、国分寺市民も誇らしく思うのではないでしょうか。
国分寺の科学3:難聴者を救うリーディングカンパニー本社がある
最後にご紹介するのは、補聴器国内トップシェアを誇るリオン株式会社。なんと同社の本社も国分寺にあるのです!
同社のはじまりは音響学と物理学の民間研究所。一般財団法人小林理学研究所の研究成果を製品にする目的として昭和19年に(株)小林理研製作所が設立されました。
それから難聴者の福祉のため国初の量産型補聴器を発売。“リオネット”の名で親しまれるようになり、現在では補聴器の国内最大シェアをキープ。その高度な技術力は日本を飛び越え、海外にも広がっています。
補聴器以外にも環境保全や産業分野で使用される騒音計・振動計、防災用・制御用地震計の地震計測システムなどを開発しています。難聴者の方だけでなく、私たちが安心して暮らせる機器を多く生み出しているのですね。
まとめ
このように東京都国分寺市には日本を代表し、日本を支えるテクノロジー詰まっているんです。「地味な街」「大した特徴がない街」と思っているそこのあなた! 確かに国分寺は華やかさに欠けるとは思いますが、こんなに立派な功績がある街なんです。
これからも国分寺発のテクノロジーが生まれるかも!? 今後も国分のテクノロジーから目が離せませんね。